日本サッカーの日本化

世界と戦う日本人のためのフットボールを…!

ドイツvsメキシコ

昨日はドイツvsメキシコの好カードがありました。

両者共に戦術・戦略的にハイレベルなチームで、今大会の中でも指折りの好ゲームだったのではないでしょうか。

 

結果はカウンターからメキシコが1点を守り切り勝利!

現世界王者相手に金星を挙げました!

 

試合内容をみても、ドイツをしっかりと研究したと感じられる試合運びで、

ドイツの良いところを消して、自分達の出来る事をやり切る。

という部分をしっかりと試合を通してやり切ったという印象でした。

 

当然ながらボールを保持しながら押し込むドイツを、うまく自陣に誘い出し、SBがウイング的なポジションとなるドイツの穴をしっかりと狙いをもって攻略していましたね。

守備に関しても、フンメルスとクロースには常に制限を掛けて、起点とさせない。

パスの出口にはマンツーマン気味のマークをする。

ポジショナルプレーをうまく封殺したなという印象でした。

 

アルゼンチン相手に引き分けたアイスランドもそうですが、

個人の能力では劣るチームも、

こうして正しい準備をして、チームとしてやり切れば、強豪国に十分と渡り合える事を証明してくれましたね!

 

ハリルホジッチさんがやりたかったプランも、

このメキシコのように相手の良さを消すところにあったのではないかと思うと、

本大会でその真価を見ることが出来なかったのは非常に残念に思います。

 

この四年に一度の舞台で、

選手も指導者も多くの学びを得られる機会にしたいですね!

W杯開幕!

昨日、私が住んでいる地域では10時キックオフで、

W杯のオープニングゲームを迎えました!

4年に1度の世界最大級のイベント!

サッカー人としては、睡眠時間が削られる、お祭りです。

この大会で起こる様々なプレーが世界中の子ども達に喜びや感動をもたらし、

夢を与えてくれると思うと、本当にありがたいと感じます。

日本代表には、未来のサッカー選手候補が一人でも多くサッカーを始めるキッカケとなるようなプレーをしてもらえるよう、

育成に携わる人間として応援したいと思います!

予選敗退は、今回の監督解任騒動に続き余りにも日本サッカーにとってダメージとなるので、

内容うんぬんよりも、結果を出してというのが、本音です。

サッカー人気に直結します。

 

オープニングゲームは、前半しかみていませんが、

5-0でロシアの圧勝でしたね。

守備時は4ー4ー2となり、しっかりと奪いどころを決めてボール奪取。

前半の印象ではサウジは自滅というかなんというか…お粗末なプレーに感じました。

ビルドアップ時の攻略法が見出せず、簡単にカウンターにつながるボール奪取を許してしまっている状況。

フィジカル的にも優位に立っていたロシアの勝利は妥当でしたね。

 

今日も熱戦が待っているので、夜更かしは避けられないです!

絶対に負けられない戦いがそこにはある・・・!

聞く力、気付く力、挑戦する力

今日は、普段携わっている育成年代の選手について感じる事。

 

タイトルにある

聞く、気付く、挑戦する

この3つが出来る選手は間違いなく伸びていく選手。

年代も身体能力もセンスも関係ないです。

ここが出来る選手は確実に成長していきます。

 

まず、聞く力

多くの選手は、聞いている様で頭の中では他ごとを考えているもの。

勿論ここに関しては、指導者がいかに選手が聞く耳を持つ話を出来るかも、言うまでもなく大切ですが。

相手を見て、しっかりと聞いている選手は、その分インプットが多いです。

ヨーロッパでは分からなければ分からないと選手が言うのですが、

日本の選手は、わかった?と聞くと、

分かった!と答えるものの、

いざやってみると、出来ない、間違える。

分かってないのに、返事をしてしまうんですよね。

聞く力がある選手は質問も出来るし、

自分の中で言われた事を咀嚼するので、こういった事にはなりにくいですよね。

 

そして、それがそのまま、

気付く力に繋がっていきます。

聞いている、常にアンテナを張っている選手は、試合の中でも、トレーニングの中でも、色々な事に気付きます。

練習の意図や、その局面で必要なプレー、

自分のミスの原因…等々、

聞いているから理解に繋がり、

それをベースに考える事で、色々なことに気が付く。

言われたから受動的にやる。

と、

気付いて能動的にやる。

では、同じやるでも大違いですよね。

能動的にやると、失敗もするのですが、

そうした選手は失敗から学びます。

一方で、言われたからやった選手は、

失敗しても、気付きませんし、学びません。

こうした積み重ねの差が少しずつ重なると…

言わずもがなですよね。

 

そして、3つ目の挑戦する力

気付いた事に挑戦してみる。

新しい事に挑戦してみる。

成功するまで挑戦してみる。

この力は、特に最近の子達に欠けていると感じます。

前述の2つがそもそも出来ないと、なかなか能動的に挑戦という事が出来ないというのが前提にはあるのですが、

トライ&エラーを繰り返して、洗練されていくサイクルは非常に大切です。

勿論、トライをして怒られるから出来ない等々、それぞれに事情は抱えているとは思うのですが、

やはり、挑戦しない事には、結果にも責任を持つことは出来ず、やらされているだけのロボットになってしまいますよね。

挑戦する事によって得られる経験値は、子ども達にとって、かけがえのないモノである事は間違いないでしょう。

勿論痛みを伴う失敗もありますが、

レールの上を走るだけでなく、

自らの意思で行動した結果を受け取る事も大切な成長過程だと感じます。

 

3つの力を子ども達が育んでいける様なアプローチを指導者が、子ども達に関わる大人達がしていけると、どんどん子ども達は成長していくのではないかと思います。

言う通りにさせて、機械の様にスキルを習得させる事よりも、

選手自身にしっかりと納得してもらった上で気付いて学んでもらえる様なサイクルを作っていきたいと、常々思っています。

 

これらの力は、指導者にも大切な力であるのは間違いないですよね。

 

少しでも、日本のサッカーが良くなっていく様に、そのベースを担う子ども達の成長に繋がる指導ができる指導者でありたいものです。

 

 

育成年代の日本の選手に感じる事

現在、私は東南アジアの某国にて、

主に日本人を対象にサッカーを指導しているが、

そちらのアカデミーで感じる事。

 

毎年、多くの選手の出入りがあるのだが、

特に、新しくこちらに来る日本のサッカー少年に感じる事がある。

足技が上手い。ボール扱いが上手い。

敬語が使えない。

色々とあるのだが、

一番に感じるのは、サッカーの所謂イロハの部分が抜け落ちている選手が多い。

トップトップの選手は違うのだろうが、

日本の平均から少し上

くらいのレベルの選手達に感じるのは、

ボールは扱えるが、その技術を活かす術を全くと言っていいほど知らない。

フィールド1でのビルドアップで果敢に一対一を仕掛けたり、

ディフェンスではスペースをケアする意識や、グループ、チームで守るという事を全く知らない。

余りにも多くそういった選手が来るので、

選手達に聞いてみると、

日本のチームではそんな事は聞いた事がない。

との事。

 

原理・原則を理解せずにサッカーをさせている?

そんな事が本当に日本では普通なのか?

とも思ったが、多くの選手がそう答える。

 

ある日の練習。

「チャレンジ&カバーを知ってる?」

選手「もちろん」

「どうやってするの?」

選手「一人がとりにいってもう一人は後ろで守る!」

「どう取りに行って、どう後ろで守るの?」

「そこは知らない」

こんなやりとりがあった。

言葉としては伝えるが、それが何で、

どんな状況で、どのように実行するのか。

肝心な部分が抜け落ちている。

 

こちらの国で長く過ごす選手より技術は高いのだが、

実際の試合でほとんどそれを生かせないという選手達。

試合の状況を常に想定してトレーニングを積んでいないので、

試合の中でトレーニングを生かせない。

勿論私のチームの選手達も、私を含めてまだまだ勉強中なので足りないのだが、

明らかに違いを感じる。

 

まだまだ、草の根レベルでの日本サッカーは、時代から随分と遅れているのだなと、改めて実感しました。

 

年代毎にここまでは理解しておきたい、

実行できるようになりたいという最低限の部分はあるはずで、

そこがクリア出来ないまま次の年代へ進んでしまう事で、

サッカーが楽しめなくなったり、自信を失ってしまう。

 

少しずつ、草の根からサッカーのレベルアップをしていきたいですね!

その為にも、まずは指導者が学び、成長していく事。

東南アジアの育成年代

現在自分が活動している国の育成年代(小学生)は、7人制のオフサイド無しルール。

そして、何故かみんなデカイ。

日本人よりも頭2つ分くらいデカイ。(多くが年齢を偽っての出場である)

そして、キックがよく飛ぶ。

当然、戦術は最前線のフィジカルモンスターへのロングボール。

ザ・ダイレクトプレー。

間延びしきったフィールド。

勿論この国にも、しっかりとボールをつなぐ意思を持ったチームも存在する。

しかし、日本以上に勝利至上主義が蔓延している。

 

そんな中、私が率いているチームは、ポジショナルプレーを選択し、リーグ戦を戦っている。

当然フィジカル勝負に屈する事も少なくはないが、

デュエルを避ける

という事はしない。

どのみち世界に出ていけば、局面での争いは避けられないし、

一回り大きい選手とのやり合いもある。

この国に来た当初は、

勝利至上主義のプレーに憤慨したり、

こんなのサッカーではない!

と思っていた時期もあったが、

選手達にこの経験を未来に繋げてもらうにはどうすれば?

と考えていくと、

案外受け入れられた。

いくらパワーとスピードで圧倒されると言っても、

ボールより速くは動かないし、

テクニックでは対等以上にやり合える。

 

選手も最初はあまりのフィジカル差に圧倒されるが、

戦っていくうちに慣れて、

どうやってこの状況を攻略するのか。

という事に思考を巡らせ始める。

 

大人以上に適応力のある彼らは、

簡単に想像を超えていく。

 

そして、サッカーだからやり方も解釈の仕方もそれぞれだと改めて気付かされる。

 

ゲームモデル(プレーモデル)はサッカーへの解釈とどこかで聞いたが、

正にその通りだなと。

 

日本らしいサッカーの解釈の仕方で、

日本サッカーを改めて日本化したいなと感じます。

 

その為には、まずは指導者自身が学び、成長し続ける事。

 

今後も、現地のサッカー事情等、時々伝えられたらと思います。

 

 

W杯前ですが…W杯後の日本へ

どうも!

今日は代表のガーナ戦ですね。

監督解任劇からのゴタゴタから…

W杯に向けた最終テスト。

 

個人的には、

今回のW杯の結果や内容は、興味が無いというか、積み重ねの上で成り立つものではないので、日本サッカー界の前進を測る意味では、あまり価値がないものになってしまったと考えています。

もちろん、日本人として、日本代表を応援していますし、

出るのであれば、良い成績を残せると良いなと、

サポーターの一人としては思っています。

 

また、サッカー界の盛り上がりには、

やはりトップである代表の盛り上がりが不可欠であると思います。

今回のW杯をみて、サッカーを始める子や、

サッカー選手になりたい!と思う子ども達もたくさんいるでしょう。

そういった側面からみても、日本代表には未来のサッカー界をも背負っているという気持ちで、戦ってもらいたいなと思っています。

 

色々なゴタゴタはあれど、

子ども達はサッカー選手に、日本代表に大きな憧れを持っています。

彼等に夢を与えてくれる、そんな代表チームであって欲しいと、育成年代に携わる人間としては思います。

 

そして、サッカー協会には、

W杯後を見据えて(残念ながら選手選考にはそれを感じられなかったが)、

今回の失敗を踏まえて、

より明確な方針を打ち出して欲しいと思う。

4年毎にフラフラと変わるのではなく、

日本サッカーの日本化の為に、

今一度これまでとこれからに対して、

しっかりと分析をして、

同じベクトルを共有しながら、

日本サッカーをつくって行って欲しい。

 

みんなで、日本サッカーをより良くしていきましょう!

 

 

見て考えないサッカーへ

 

今日はこちらの記事を。

非常に納得できる内容で、

自分が日頃から考えているサッカー観との共通点も多く、勉強になりました。

 

たしかに自分でプレーしている時もそうですが、一から十まで考えて、あるいは考えながらプレーするという事はあまり無いなと。

ワンタッチでのプレーなんかもそうで、

無意識に決め打ち的な感じで行う事もありますし、ゴール前でのシュートなんかも、わざわざゴールをみて考えないな、と。

 

今までの経験が自分のプレーを導き出している、といったところでしょうか?

そうなってくると、トレーニングの構築も、

無意識に良い習慣引き出せるという事が重要なテーマになってくるのではないでしょうか?

 

考えなくても体が勝手に動く=良い習慣で

となれば、プレースピードは上がりますし、

チーム・個人として機能するのでは無いかと思います。

ここで重要なのは、当たり前ですが、

良い習慣で

という事です。

 

そして、良い習慣を身につけるには、

実際の試合で起こり得る事を落とし込んだトレーニングであり、

その対処法を繰り返しトレーニングする。

そうすることによって、試合で似たシチュエーションが起きた時、

個人、或いはチームとして、

無意識に必要なプレーが実行出来るようになる。

トレーニングの中で、イメージを共有する

そうすることによって、試合でもチームとして機能するのでは無いでしょうか。

 

トップレベルでは、見て考える時間など、どんどん無くなってきていると言える程、プレースピードは向上しています。

そこに対して、トレーニングから対応出来るように。

育成年代でも、しっかりと論理的にサッカーを理解し、無意識のレベルを上げていく必要があると感じます。

 

感覚を感覚で終わらせずに、

しっかりと言語化していき、

共通理解を深めることで、

良い意味での考えないサッカーを目指したいですね。(機械的にこなすという事ではありません。)

 

日本のサッカーのレベルアップの為に。

まずは指導者が学んで行く事。