日本サッカーの日本化

世界と戦う日本人のためのフットボールを…!

自分視点ベルギーvsフランス

W杯が終了して早二日…。

世界中のサッカーファンのお祭りは、フランスの優勝で幕を閉じました。

タレントを多く擁するフランスが、リアリスティックなサッカーに徹する。

ユナイテッドでのプレー以上に働くポグバ。

クラブでのそれと同じようにハードワークする、カンテ、マテュイディグリーズマン

圧倒的なスピードでカウンターの一の矢として躍動するエムバペ。

マドリーとバルサのCBを務めるヴァランとユムティティのコンビ。

終わってみると、優勝も納得の選手層・パフォーマンスでした。

 

4年後が今から楽しみです。

フランス、イングランドは主力が若いので、4年後も恐らく優勝候補になるでしょう。

リベンジを期するドイツにも期待です!

 

そんな中で、個人的に優勝予想していたベルギーが敗れた試合である、

フランス戦を改めて見直し、感想の様な分析を書いてみました。

もっと良い目で試合をみれる様になるには、まだまだ勉強が必要な様です。

 

まず、ベルギーの前半。

後ろ3枚でのビルドアップを基本とし、

3ー2ー4ー1、3ー4ー2ー1をエリア・相手のプレス毎に使い分けながらの攻撃。

狙いとしては、アザールの質的優位を生かしてのゴールメイク、デ・ブライネの中央からサイドに流れながらのボール引き出しからのパス供給が主な攻撃パターン。

前半はルカクを生かしたポストプレーの数はそこまで多くなかった印象です。

アザールの今大会での傑出したプレーは圧巻の一言でした。

デ・ブライネのキックは、是非子ども達への教材にしたい美しいフォームからの正確なキックでした。

 

守備に関しては4ー3ー3の3ラインで、スタート位置はミドルサードの相手陣側でした。

フランスは同じ4ー3ー3でも、守備の開始位置がより低い位置でした。(ここらへんに関しては期間中読んでいた、モダンサッカーの教科書や砕かれたハリルホジッチ・プランが試合を読み解く上で本当に参考になりました。)

 

とはいえ、守備のスタート位置はあくまでスタート位置。

その後の流れによって、ミドルサード自陣側では4ー2ー3ー1の様な形になったり、

ディフェンシブサードでは、5ー4、5ー3でのブロックを形成したりと、流動的でした。(現代サッカーの最先端では当たり前ですよね)

ディフェンシブサードで、人数は足りているけど、ボールに対しての圧が弱いのと、相手を捕まえ切れていないシーンが気になりました。(ボールウォッチャーになっている相手を見逃さないフランス側の上手さもありますよね)

 

カウンター時の振る舞いとしては、まずルカクアザール、デ・ブライネを経由してという意図が見て取れました。

しかし、フランスもしっかりと最後の部分でやらせなかったり、良い形に持ち込まれないように注意を払っていました。

 

被カウンター時の振る舞いに関しても、ディフェンシブサードの守備同様、少し緩さを感じました。

攻撃重視のチームであるが故の重心の掛け方から、どうしてもバランスが取れていないシーンというのがありました。

帰陣が遅れるシーンや、ボールホルダーのプレーを限定できずに選択肢を与えてしまっているシーンがいくつか見受けられました。

 

一方フランス側は、攻撃では相手のプレスに応じて2ー3、3ー2でのビルドアップで相手陣への侵入を目指す形。

ジルーへのロングボールも織り交ぜながら、無理をしない組み立てを意識していた印象です。

その中でも右サイドのエムバペの質的優位を生かそうとしているのは感じられました。

そこに、右SBの選手が効果的に走り込み、右サイドでの攻撃を機能させていました。

 

守備は自陣側でブロックをつくる4ー3ー3の3ラインがベースでした。

その中で、アザールにボールが入った際は極力1対1を避けるため、タイトに複数人で囲む意識を持っていました。

そして、ロリスのパフォーマンスが何と言っても素晴らしかったです。

何点か奪われていてもおかしくないシーンがありましたが、最後まで守りきりました。(クルトゥワも素晴らしく、GK同士のパフォーマンスは今大会でも最高レベルでした)

 

カウンター時は、シンプルに長いボールでのカウンターを狙っていました。

その為の3トップでもありますよね。

明確にカウンターで3トップを生かす事を狙っていました。

 

被カウンター時(ボールロスト時)には、素早い切り替えから、ボールホルダーを制圧するプレッシングを行なっていました。(ここでも3トップはハードワークしていました)

 

前半は個人的には11:37~のアザールに対して複数人でのプレッシングでボールを奪ったシーン、

12:10~のベルギー右サイドの攻撃をカンテがインターセプトしてからのカウンターにフランスのこのゲームでの狙いというのはハッキリ出ていたと感じました。

 

ベルギーは14:48~の前からのプレッシングでロリスに蹴らせ、そのボールを相手陣で回収しての攻撃に、ベルギーの良さが出ていたと感じました。デ・ブライネの1タッチパスからアザールのシュートで決定機を迎えましたが、ファーストタッチでベストな位置には置けなかったところが、決め切れなかった要因と感じます。

前半15分頃まではベルギーがボールを持ちながらチャンスを伺う形だったのですが、

20分過ぎからはフランスが流れを掌握し、効果的なカウンターで主導権を握り始めた印象でした。

ミドルサード自陣側からディフェンシブサードまでしっかりと相手を引き込み、MF・DFライン間のスペースを利用したカウンターでチャンスを作り出していました。

20:25~でのベルギーの守備は明らかに緩かったなと。

31:00にはアザールの圧倒的な個の質が見られましたが、ベルギーはペースを掴めず前半を終える形に。

 

ベルギーは後半、攻撃時にフェライニが外に出て行き高い位置へ。

メルテンスが投入されてからは、デ・ブライネが低い位置に降りました。

3ー4ー3の形からメルテンスのクロスに対して、大外からフェライニ、ニアでルカクが合わせる形を攻撃の手段として用いました。

それに加えて、前半に続いてのアザールの質を生かした攻撃、

そして、前半よりもルカクに当ててのポストプレーを意識して利用していました。

 

DF時は前半と変わらない形でスタートするも、

要所要所でプレッシングが遅れている印象でした。

 

ボールロスト時は攻撃的にプレッシングをして即時奪回を狙っていました。

ラスト15分はホルダー制圧型のプレッシングを用いてのネガティブトランジションを実践していました。

 

一方のフランスは、攻撃時にマテュイディがうまくハーフスペースを利用し、ボールを引き出して起点となりました。

そして、エムバペのスピードを前半同様に生かすことを試合を通して狙っていました。

 

先制後は、しっかりとブロックをつくっての堅実なカウンターを実践していました。

今大会のフランスは試合巧者だったなと改めて感じます。

 

守備時の振る舞いに関しては、

前半同様ミドルサード自陣側で4ー3ー3のブロックでベルギーを迎え撃つ形。

受け手に対してボールが入ると連動したプレスで制圧する形を狙っていました。

 

また、試合終盤では、ディフェンシブサードで5ー4ー1、5ー3ー2のブロックを敷き、

ホルダーにプレッシャーをかけつつ、ペナルティエリア付近のスペースを完全に封鎖しました。

受け身一辺倒では無く、状況によっては相手陣内からプレスを掛け、時にはGKにまでプレスを掛けている事もありました。

全員での連動した守備(特に中盤の選手の働きによる)が印象的でした。

 

特に印象に残っているのは、

立ち上がりの45:52~のフランスの流れで、上手くレーン間にポジションを取り浮いていたマテュイディがハーフスペースを活用し決定機を作り出したシーン。

ベルギーDFは人数は足りていたものの、中途半端な寄せとポジショニングで、簡単に崩されてしまいました。

その流れでのコーナーキックを決められての失点で、守備の緩慢さが招いた、起こるべくして起きた失点だと感じました。

 

55:25~のフランス自陣でのブロック形成から、縦パスに対して受け手を制圧し奪ったボールを右WGのエムバペに送り、1タッチで繋ぎ、素晴らしいパス&ムーブでサイドボールを受け(圧倒的な加速でした)、その間に逆サイドをスプリントで駆け上がっていたマテュイディへパス。ここも素晴らしいカウンターからのチャンスメイクでした。

さらにその流れでセカンドボールを回収したフランスは、OF5対DF7の状況でしたが、寄せ切れないベルギー守備陣に対して、楔を入れていき、ワンタッチパスからエムバペへ。そこからヒールパスでジルーがGKと1対1に。

もちろんフランスのアイデアも素晴らしかったのは言うまでもないですが、ベルギー守備陣は自らのマーカーを捕まえ切れず、後手を踏み続けていました。

 

60分過ぎにメルテンスが投入されてからは、ベルギーが主導権を掴み、仕掛けて行きますが、フランスがしっかり守りきり、

1ー0でタイムアップとなりました。

 

個人的には、育成年代の指導者として、69:23~の流れで、ポグバが仲間に大声で叫び続けコーチングをしている姿が、

プロとしての姿勢を感じました。

もちろんコーチングをするには、見えていることや、理解している事が重要なのですが、

まだまだ自分の事だけで、気付いているのに声を掛けないで見過ごし、その穴を突かれてやられてしまうような選手達には、

こうした姿から、学んで欲しいなと思いました。

広大なフィールドですから、一人で守ることは不可能な訳で。

そこを補い合うコーチングや意識は、サッカーとは切り離せないものであるのは間違い無いので、映像等を使って選手に伝えて行きたいと思います。

 

以上、草の根コーチ視点のフランス対ベルギー戦でした。

ベルギー、優勝して欲しかった…!

 

参考動画

フランス代表 vs ベルギー代表 [FIFAワールドカップ2018・準決勝] | サッカー動画速報 - Part 2https://soccer-douga.com/douga/37777/2/

 

よろしければツイッターのフォローよろしくお願い致します!