少年サッカー事情
つい、仕事を理由に更新が滞りました。(主にツイッターに動画をあげていました)
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これは本当にそう思う。
— toshifussball (@toshifussball) 2018年8月8日
考えてみよう!トライしよう!
と言うんだけど、
その方法や、考える材料が無いというパターンを腐る程見てきた。
算数で言う公式や解き方を教えないでいきなりやらせても解けないのと同じ。サッカーの教科書的部分は、しっかりと伝えないと。無責任になってしまう。 https://t.co/RdwgNkNhcj
日本は大雨であったり、暑さであったり、連日ニュースで拝見しておりますが、
今回は私が住んでいるタイのジュニアサッカーの練習環境を少し紹介する会に出来ればと。
基本的に、ココに住む日本人達のサッカー環境は最高です。
送迎バスがあり、人工芝の屋根付きコート。
日本のような土のピッチで直射日光がガンガンに当たる様なプレー環境ではありません。
指導者にとっても過ごし易く、恵まれた環境です。
勿論サッカー人口が数千人いる訳ではなく、500人程度の規模であるので、
決してレベルが高い訳でもありませんが、
低い訳でもないという感じです。
というのも、日本から引っ越してくる子が大半なので、
それまでの経験で、非常にレベルの高い選手が、ひょんな事からこちらへ越してくる場合もありますし、
全くの未経験者で…というスタートもありますので、
レベルとしては非常に幅広いです。
そして、真面目な子が本当に多いですね。
日本に住む同年代の子達と比べても、かなり真面目で、素直な子が多いです。
その反面、自己主張やコミュニケーション能力なんかは、低い印象です。
サッカーは、多い子で週に6日やっている子も居れば、
週1の習い事としてプレーしている子まで様々です。
競技志向の選手達は、週末にローカルのリーグ戦等に参加しています。
タイはジュニアサッカーが7人制のオフサイド無しで行われます(サッカーというよりはソサイチですかね)。
ローカルチームの多くは、勝利至上主義で、年齢詐称やら、放り込みサッカーやら、指導者の独壇場やら、まだまだ草の根レベルでは昔の高校サッカーの様な風習があります。
ローカルの選手達に目を向けてみると、
才能溢れる選手は非常に多いです。
私がみてきた中でも、同年代の日本のトップレベルの選手と遜色ない選手も居ます。
しかし、日本以上に育成年代の諸々の整備が行き届いていないです。
彼等がこの年代からしっかりとしたサッカーを指導者から学んでいれば、本当に日本は超えられてしまうんじゃないかと感じるくらいに、
この国は都市部にも田舎にも、
才能の原石達が転がっています。
また世界の多くの国から駐在員が集まっているので、
日頃から様々な国の選手達と当たり前にプレー出来ます。
そうした環境の違いも非常に面白いです。
久しぶりの更新は、現地のサッカー事情を少しお届けさせて頂きました。
次回はチェルシーのサッカーについての自分なりの考察を掲載させて頂く予定です!
自分視点ベルギーvsフランス
W杯が終了して早二日…。
世界中のサッカーファンのお祭りは、フランスの優勝で幕を閉じました。
タレントを多く擁するフランスが、リアリスティックなサッカーに徹する。
ユナイテッドでのプレー以上に働くポグバ。
クラブでのそれと同じようにハードワークする、カンテ、マテュイディ、グリーズマン。
圧倒的なスピードでカウンターの一の矢として躍動するエムバペ。
マドリーとバルサのCBを務めるヴァランとユムティティのコンビ。
終わってみると、優勝も納得の選手層・パフォーマンスでした。
4年後が今から楽しみです。
フランス、イングランドは主力が若いので、4年後も恐らく優勝候補になるでしょう。
リベンジを期するドイツにも期待です!
そんな中で、個人的に優勝予想していたベルギーが敗れた試合である、
フランス戦を改めて見直し、感想の様な分析を書いてみました。
もっと良い目で試合をみれる様になるには、まだまだ勉強が必要な様です。
まず、ベルギーの前半。
後ろ3枚でのビルドアップを基本とし、
3ー2ー4ー1、3ー4ー2ー1をエリア・相手のプレス毎に使い分けながらの攻撃。
狙いとしては、アザールの質的優位を生かしてのゴールメイク、デ・ブライネの中央からサイドに流れながらのボール引き出しからのパス供給が主な攻撃パターン。
前半はルカクを生かしたポストプレーの数はそこまで多くなかった印象です。
アザールの今大会での傑出したプレーは圧巻の一言でした。
デ・ブライネのキックは、是非子ども達への教材にしたい美しいフォームからの正確なキックでした。
守備に関しては4ー3ー3の3ラインで、スタート位置はミドルサードの相手陣側でした。
フランスは同じ4ー3ー3でも、守備の開始位置がより低い位置でした。(ここらへんに関しては期間中読んでいた、モダンサッカーの教科書や砕かれたハリルホジッチ・プランが試合を読み解く上で本当に参考になりました。)
とはいえ、守備のスタート位置はあくまでスタート位置。
その後の流れによって、ミドルサード自陣側では4ー2ー3ー1の様な形になったり、
ディフェンシブサードでは、5ー4、5ー3でのブロックを形成したりと、流動的でした。(現代サッカーの最先端では当たり前ですよね)
ディフェンシブサードで、人数は足りているけど、ボールに対しての圧が弱いのと、相手を捕まえ切れていないシーンが気になりました。(ボールウォッチャーになっている相手を見逃さないフランス側の上手さもありますよね)
カウンター時の振る舞いとしては、まずルカクかアザール、デ・ブライネを経由してという意図が見て取れました。
しかし、フランスもしっかりと最後の部分でやらせなかったり、良い形に持ち込まれないように注意を払っていました。
被カウンター時の振る舞いに関しても、ディフェンシブサードの守備同様、少し緩さを感じました。
攻撃重視のチームであるが故の重心の掛け方から、どうしてもバランスが取れていないシーンというのがありました。
帰陣が遅れるシーンや、ボールホルダーのプレーを限定できずに選択肢を与えてしまっているシーンがいくつか見受けられました。
一方フランス側は、攻撃では相手のプレスに応じて2ー3、3ー2でのビルドアップで相手陣への侵入を目指す形。
ジルーへのロングボールも織り交ぜながら、無理をしない組み立てを意識していた印象です。
その中でも右サイドのエムバペの質的優位を生かそうとしているのは感じられました。
そこに、右SBの選手が効果的に走り込み、右サイドでの攻撃を機能させていました。
守備は自陣側でブロックをつくる4ー3ー3の3ラインがベースでした。
その中で、アザールにボールが入った際は極力1対1を避けるため、タイトに複数人で囲む意識を持っていました。
そして、ロリスのパフォーマンスが何と言っても素晴らしかったです。
何点か奪われていてもおかしくないシーンがありましたが、最後まで守りきりました。(クルトゥワも素晴らしく、GK同士のパフォーマンスは今大会でも最高レベルでした)
カウンター時は、シンプルに長いボールでのカウンターを狙っていました。
その為の3トップでもありますよね。
明確にカウンターで3トップを生かす事を狙っていました。
被カウンター時(ボールロスト時)には、素早い切り替えから、ボールホルダーを制圧するプレッシングを行なっていました。(ここでも3トップはハードワークしていました)
前半は個人的には11:37~のアザールに対して複数人でのプレッシングでボールを奪ったシーン、
12:10~のベルギー右サイドの攻撃をカンテがインターセプトしてからのカウンターにフランスのこのゲームでの狙いというのはハッキリ出ていたと感じました。
ベルギーは14:48~の前からのプレッシングでロリスに蹴らせ、そのボールを相手陣で回収しての攻撃に、ベルギーの良さが出ていたと感じました。デ・ブライネの1タッチパスからアザールのシュートで決定機を迎えましたが、ファーストタッチでベストな位置には置けなかったところが、決め切れなかった要因と感じます。
前半15分頃まではベルギーがボールを持ちながらチャンスを伺う形だったのですが、
20分過ぎからはフランスが流れを掌握し、効果的なカウンターで主導権を握り始めた印象でした。
ミドルサード自陣側からディフェンシブサードまでしっかりと相手を引き込み、MF・DFライン間のスペースを利用したカウンターでチャンスを作り出していました。
20:25~でのベルギーの守備は明らかに緩かったなと。
31:00にはアザールの圧倒的な個の質が見られましたが、ベルギーはペースを掴めず前半を終える形に。
ベルギーは後半、攻撃時にフェライニが外に出て行き高い位置へ。
メルテンスが投入されてからは、デ・ブライネが低い位置に降りました。
3ー4ー3の形からメルテンスのクロスに対して、大外からフェライニ、ニアでルカクが合わせる形を攻撃の手段として用いました。
それに加えて、前半に続いてのアザールの質を生かした攻撃、
そして、前半よりもルカクに当ててのポストプレーを意識して利用していました。
DF時は前半と変わらない形でスタートするも、
要所要所でプレッシングが遅れている印象でした。
ボールロスト時は攻撃的にプレッシングをして即時奪回を狙っていました。
ラスト15分はホルダー制圧型のプレッシングを用いてのネガティブトランジションを実践していました。
一方のフランスは、攻撃時にマテュイディがうまくハーフスペースを利用し、ボールを引き出して起点となりました。
そして、エムバペのスピードを前半同様に生かすことを試合を通して狙っていました。
先制後は、しっかりとブロックをつくっての堅実なカウンターを実践していました。
今大会のフランスは試合巧者だったなと改めて感じます。
守備時の振る舞いに関しては、
前半同様ミドルサード自陣側で4ー3ー3のブロックでベルギーを迎え撃つ形。
受け手に対してボールが入ると連動したプレスで制圧する形を狙っていました。
また、試合終盤では、ディフェンシブサードで5ー4ー1、5ー3ー2のブロックを敷き、
ホルダーにプレッシャーをかけつつ、ペナルティエリア付近のスペースを完全に封鎖しました。
受け身一辺倒では無く、状況によっては相手陣内からプレスを掛け、時にはGKにまでプレスを掛けている事もありました。
全員での連動した守備(特に中盤の選手の働きによる)が印象的でした。
特に印象に残っているのは、
立ち上がりの45:52~のフランスの流れで、上手くレーン間にポジションを取り浮いていたマテュイディがハーフスペースを活用し決定機を作り出したシーン。
ベルギーDFは人数は足りていたものの、中途半端な寄せとポジショニングで、簡単に崩されてしまいました。
その流れでのコーナーキックを決められての失点で、守備の緩慢さが招いた、起こるべくして起きた失点だと感じました。
55:25~のフランス自陣でのブロック形成から、縦パスに対して受け手を制圧し奪ったボールを右WGのエムバペに送り、1タッチで繋ぎ、素晴らしいパス&ムーブでサイドボールを受け(圧倒的な加速でした)、その間に逆サイドをスプリントで駆け上がっていたマテュイディへパス。ここも素晴らしいカウンターからのチャンスメイクでした。
さらにその流れでセカンドボールを回収したフランスは、OF5対DF7の状況でしたが、寄せ切れないベルギー守備陣に対して、楔を入れていき、ワンタッチパスからエムバペへ。そこからヒールパスでジルーがGKと1対1に。
もちろんフランスのアイデアも素晴らしかったのは言うまでもないですが、ベルギー守備陣は自らのマーカーを捕まえ切れず、後手を踏み続けていました。
60分過ぎにメルテンスが投入されてからは、ベルギーが主導権を掴み、仕掛けて行きますが、フランスがしっかり守りきり、
1ー0でタイムアップとなりました。
個人的には、育成年代の指導者として、69:23~の流れで、ポグバが仲間に大声で叫び続けコーチングをしている姿が、
プロとしての姿勢を感じました。
もちろんコーチングをするには、見えていることや、理解している事が重要なのですが、
まだまだ自分の事だけで、気付いているのに声を掛けないで見過ごし、その穴を突かれてやられてしまうような選手達には、
こうした姿から、学んで欲しいなと思いました。
広大なフィールドですから、一人で守ることは不可能な訳で。
そこを補い合うコーチングや意識は、サッカーとは切り離せないものであるのは間違い無いので、映像等を使って選手に伝えて行きたいと思います。
以上、草の根コーチ視点のフランス対ベルギー戦でした。
ベルギー、優勝して欲しかった…!
参考動画
フランス代表 vs ベルギー代表 [FIFAワールドカップ2018・準決勝] | サッカー動画速報 - Part 2https://soccer-douga.com/douga/37777/2/
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フランスvsベルギー戦のマテュイディのボールの引き出し方。ハーフスペースを上手く活用。この試合で非常に攻守両面でチームに貢献していた。スタートのポジションで相手三角形の中心に立ち、サイドにボールが流れ、SBがホルダーに釣られた所をCBとSBの間で。これだけで決定機に。素晴らしい。 pic.twitter.com/MqanmCVPZr
— toshifussball (@toshifussball) 2018年7月14日
海外で活動する指導者が、砕かれたハリルホジッチ・プランに思う
本日も皆様に読んで頂きたい1冊をご紹介させて頂きます。
砕かれたハリルホジッチ・プラン 日本サッカーにビジョンはあるか? (星海社新書)
- 作者: 五百蔵容
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/05/27
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (4件) を見る
W杯で日本が敗退した今こそ読んで頂きたい一冊です。
内容が非常に濃く、改めて日本サッカー界が進むべき道や、進んできた道に対して、
振り返る機会を与えてくれる内容になっています。
ハリルホジッチ氏の戦術・戦略や足跡以外にも、最新の理論である5レーン理論等も分かりやすく説明されており、
サッカーに詳しく無い方も、これ一冊で非常に勉強になるかと思います。
デュエルとはなんだったのか、というのも、報道等で聞くものとは大きく違っていたのだという事も、この本は伝えてくれています。
ここからはこの本を読んでの個人的な思いになりますが、
本当に残念だなと言う気持ちと、これからの日本サッカーに対する疑念や不安を感じ、
改めて、日本サッカー界を良くしていくために、草の根からでも出来る限りの努力をしなければならないと感じました。
まず、ハリルホジッチ氏に関して。
この本を通して、改めてエモーショナルで、まっすぐな方であったのだと感じました。
ハッキリとした物言いや風貌から、威圧的なモノを感じた方も居るかと思いますが、
実際のところは本当に誠実に日本サッカー界と向き合ってくれていたのだと感じます。
彼が要求していたものは、あくまでも、W杯基準のモノであったのだと、W杯が佳境を迎えた今、強く実感します。
戦術・戦略の観点から見ても、そのサッカーは非常に合理的であったと感じます。
メキシコ代表がドイツを破った試合の様な、的確な分析に基づく、相手の骨格を突く手腕は、実際に最終予選のオーストラリア戦や、アルジェリア代表を率いたW杯でも見せてくれていました。
ザック時代の代表は、ハマれば強いのイメージで、自分達の都合で試合を運べない際は非常に脆いチームであったと記憶していますが、
ハリルホジッチ氏が目指していたサッカーは、均一的なモノではなく、都度適した方法を選択していくというモノであり、今までの代表が取り組んできていなかったモノで、簡単にうまくいくモノではなかったかと思います。
その中でチーム作りをしながら、最初の目標であったW杯出場権を獲得し、本大会を見据えて準備をしていた中での解任は、やはりその行く末を見られなくなったという事実も重なり、非常に残念でなりません。
サッカー以外の部分でも、非常に心のある方で、熊本にも震災時にサポートをして下さり、現在もその関係は続いているとの事。
コミュニケーションに問題がある方が、本当にそんな事をするのかなと。何をもってのコミュニケーションなのかは協会の方の基準なのでなんとも言えませんが…
ハリルホジッチ氏が残してくれたモノに関して。
志半ばでの解任となった訳ですが、それでも多くのモノや気付きを日本サッカー界に残していってくれたと感じています。
デュエルもその一つですよね。
W杯前の合宿でのトレーニング中には、なるべくデュエルを避けようというコーチングがあったと、報道を耳にしましたが、
海外でプレーした経験が若干ある自分の経験を踏まえても、何を言っているんだという気持ちにならざるを得ない発言です。
多分、この方にはハリルホジッチ氏が伝えてきたデュエルが正しく解釈出来ていなかったんだろうなと。
1試合で200回程発生するデュエルを何を以って避けるのか。
避けるのではなく、そこで最低限戦う、負けないことによって、戦術や戦略は成り立つのでは無いのでしょうか?
骨格や筋肉量の違いは人種によってあるのかもしれませんが、そもそも世界レベルのスタンダードであると言われる、体脂肪率10%をクリアもしないで、どうやって戦うのかと。
何故それを何度も提言していたのかと。世界基準で戦う為に必要な事だったのではないか。
ましてやW杯では格上との対戦が多くなる日本であれば、尚の事その部分では同じレベルに達していないと、勝負にもならなかったのではないかと強く感じます。
格下である上に、条件や基準をクリアしていないのでは、当然敵いませんよね。
これを厳しい要求をする監督と捉えていた人達全員の責任ではないのかなと。
協会側はこの基準の重要さを理解し、サポートしていたのか。そこに対して十分なコミュニケーションはとっていたのか。
コミュニケーションというのもハリルホジッチ氏が残していったモノの一つかもしれません。
協会の言うコミュニケーションの問題はあまりにも抽象的過ぎて、結局のところ難癖つけたかっただけなのでは無いかと感じてしまいます。
勿論、言語の問題や、日本との文化の違いや、考え方や手法の違い等はあったのでしょうが、それは、外国人監督を呼んだ時点で想定出来たはずですし、過去にも呼んでいる訳ですから、理由にはならない気がします。
コミュニケーションの問題があったのでは無く、解任に向けてコミュニケーションに問題を発生させた。のではないかと。
仮に問題が選手とあったとして、その間に入るのが技術委員やスタッフだったのでは?
そもそも、選手が物申して、監督のクビが飛ぶというのが理解に苦しみます。
それがまかり通るなら、過去の実績等で物申す事が出来る選手が、実質チームを支配できる状況にあるわけで、チームとして正常な状態とは到底考えられません。
どの国のどんなチームにも、監督との相性なんかはあるでしょう。その付き合い方も含めてプロフェッショナルなのでは?
そうした部分からも、日本は世界に対して大きな遅れをとっている、そして今回の件で更に広がってしまったのでは無いかと感じます。
霜田元技術委員長の話も掲載されていますが、読めば読むほど、ハリルホジッチ氏の思いや願いが感じられ、一人のサッカー界で生きる末端の人間として、申し訳ない気持ちと、情けない気持ちが溢れてきました。
巻末のあとがきや、ハリルホジッチの遺産を読み終えた時には、大きな喪失感の様なモノを感じました。
そして、今回のW杯での戦いを、準備期間が少ない中で決勝トーナメントへ進み、ベルギーをあと一歩のところまで追い詰めた!
という美談で終わらせてはいけないと、改めて実感しました。
末端の一指導者が出来る事など、日本サッカー界の規模からすればなんとでも無いモノかもしれませんが、
こうした事や、未来の日本サッカー界に向けての課題を絶えず発信して、現場で改善に取り組み続ける事で、
未来の日本サッカー界に繋げていければと感じました。
そして、正しい意味で、日本のアイデンティティを生かした、
日本サッカーの日本化
に取り組んでいきたいと、改めて感じました。
一人でも多くの方がこの本を手に取って、
日本サッカー界を正しい目で検証してくれることを願います。
オススメ:モダンサッカーの教科書
今回はW杯期間にオススメの一冊を紹介したいと思います。
モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー
- 作者: レナート・バルディ,片野道郎
- 出版社/メーカー: ソル・メディア
- 発売日: 2018/06/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こちらの一冊。
他にも「砕かれたハリルホジッチプラン」や「新しい攻撃の教科書」などオススメしたい本はたくさんあるのですが、まずはこれから。
対話形式で進んで行く一冊なのですが、
非常に明快で分かりやすいです。
最新の戦術や分析のフレームワーク等が分かりやすく記されていて、
W杯を見る際も、この一冊で知識を備えておけば、
今のはこういう意図だったんだな。
このチームはこういうプランなんだな。
戦術のプロで無くとも理解できます!
今大会の守備戦術、特に4-4ブロックの2ラインのディフェンスは、
クラブチームレベルの完成度を誇っているチームが多々あります。
スウェーデンやスイスもそうですよね。
個の力はもちろんのこと、ヨーロッパのトップレベルでプレーしている選手達は、
戦術的にも非常に優れていて、組織としての完成度も高いです。
ベスト8に欧州6チーム、南米2チームが生き残ったのも偶然では無いなと。
戦術的な部分での組織力でも、日本と世界の差はまだまだ大きいのだと実感させられます。
このモダンサッカーの教科書を読むと、更に理解が深まります。
特に、分析のフレームワークは、理解すると実際の指導に活かせる部分も多々ありますし、
試合観戦の時の目を養ってくれるものになっています。
ぜひ、みなさんもこの一冊を手に取っていただいて、
知識をアップデートして、選手達に還元していきましょう!
日本代表ベスト16に感じる事
W杯も決勝トーナメントに入り、強豪国同士の試合が早速あり、盛り上がっていますね。
フランスのムバッペや、ブラジルのネイマール、個の力を改めて感じますね。
質的優位というのは、誰しもが持っているわけでは無く、相手との力関係によっても変わってくるものですが、
このレベルの選手は、どんな相手に対しても、1対1の局面では質的優位に立っていますね。
その一方で、スウェーデンやロシアのように、粘り強くブロックで守備をするチームの躍進も目立ちます。
個の力だけで見ると、決して優位に立っているわけではないのですが、チームとしての振る舞いが徹底されていると、
これだけ強固な組織になるのだと、感心させられます。
そういった意味では、日本はチームワークが武器だというけれど、まだまだ足りないのでは?という気持ちにもなります。
ラウンド16にて優勝候補の一角であるベルギーとの対戦となりましたが、
結果はご存知の通り2:3で敗北。日本代表のW杯はベスト16で幕を閉じました。
賛否両論飛び交っている中で、試合の結果や内容も勿論検証して今後に繋げなければならないのですが、
それ以上に日本サッカー界の組織としてのあり方や、今後の方向性というものは、しっかりと議論を重ねて方向性を見出していく必要があると感じます。
話題のポーランド戦もそうですが、簡単に言ってしまえば自力が無かったと。
あそこでゴールを奪いに行くという選択が出来る力が、現状の日本代表には無かったと。
そこにしっかりと目を向ける。そもそも、なぜリードされてしまったのか。
セネガル戦何故勝ち切れなかったのか。等々検証するべきことは山ほどあります。
準備期間が短かったという声も聞こえますが、準備期間を短くしたのは日本サッカー界自身であるという事を忘れてはいけません。
勝って盛り上がる。
負けて健闘してくれたと美談にして終わっていては、南アフリカから結局のところ進歩はしないのでは無いでしょうか。
クリンスマンさんが監督に就任するだとか、ニュースになっていますが、
今大事な事は、今大会の代表をしっかりと組織として振り返り、同じ失敗を繰り返さないよう、
進むべき道をハッキリさせることでは無いでしょうか。
そうでなければ名将が率いろうが、日本人監督が率いろうが、何も変わらないのでは無いか。
子ども達が、心の底から憧れる日本代表であって欲しいものです。
彼らが10年後20年後にその舞台に立った時、
ポーランド戦と同じ様な状況になった時、
迷わずゴールを奪いに行ける。
そんな日本代表になっていて欲しいと、心の底から思います。
サッカーに関わる人全員で、日本サッカーをより良くしていきましょう!
その為にも、まずは現場に携わる大人達が、しっかりと力をつける事。
日々、学び続けましょう!
ドイツのGL敗退
昨日はドイツが韓国に0-2で敗れ、GL敗退を喫しました。
過去にも前回王者が
98年優勝フランス→02年GL敗退
06年優勝イタリア→10年GL敗退
10年優勝スペイン→14年GL敗退
と、ここ最近のワールドカップでは、
02年の南米ブラジルを除き(ブラジルは準々決勝敗退)、前回王者がGLで敗退しているので、
なにかしらの理由があるのでは?
と考えさせられます。
ドイツも王者としての立場がありつつも、
試行錯誤しながら今大会への準備をしてきたかと思いますが、
勝ってる時は変えない
という鉄則が、もしかするとその柔軟性をこの大舞台で奪ってしまったのかもしれません。
追われる立場で他チームから徹底的に調べ上げられ、ドイツ相手なら引き分けでも十分というスタンスで恐らくGL対戦国は考えていたでしょうし、失うものはなく、存分に力を発揮できる状況であったと考えられます。
一方のドイツは、開幕前から優勝候補筆頭に挙げられ、GLは確実に突破するであろうと思われる中で、大きなプレッシャーにさらされていました。
直接因果関係があったかは定かではありませんが、エジルとギュンドアンの政治に関わる行動でも、チームはダメージがあったかもしれません。(詳しくは下記のリンクをご覧下さい)
ドイツ代表どころか国も揺るがす"エジルとギュンドアン"の禍根 | footballista
更に決勝トーナメントを想定したコンディショニングであり、明らかにGLでの動きは本来のそれとは違ったように感じます。
ここ10年ほど、世界の先頭を走ってきたドイツ。
ワールドカップでは毎回ベスト4に残り、
コンフェデ杯では1.5軍で優勝。
しかし、初戦のメキシコ戦では、メキシコのゲームプランに屈し敗戦。
続くスウェーデン戦では後半ロスタイムのゴールで薄氷の勝利。
そして、昨日の第3戦。
韓国相手に攻めあぐね、得点への焦りから前がかりになった所を、2失点。
グループ最下位で大会を去る事となりました。
個人的な見解ですが、
今回のドイツは相手の分析に対しても、
自分達のスタンスを崩さずに横綱相撲を選んだものの、結果が伴わなかったという印象です。
ビルドアップの局面から組織的に制限をかけられ誘導され、サイドの穴を突かれたメキシコ戦。
続くスウェーデン戦でもスウェーデンの組織力に最後まで攻めあぐね、セットプレーで辛くも勝利。この試合の収穫は勝ち点3のみ。(もちろんそれが最重要なのがGLですが)
そして、韓国戦も70%のボール支配率から、相手の守備の穴を探るも、残り時間が少なくなっても、ブロックの外を迂回するパスが多く、FWを投入した意図を生かしきれていなかった様に感じます。
そして、王者らしからぬ形での2失点。
強さや賢さが感じられないまま終わりを告げました。
ブラントの仕掛けが非常に目立って見えたのは、それだけパスをメインに攻撃を構築していたからであり、大会前に落選したレロイ・サネの様なウインガーが居れば、相手のブロックに対しての効果的なカードになっていたかもしれません。
衝撃なのか、妥当な敗退なのかは、
それぞれの視点で意見が分かれる所ではありますが、
プレー内容的に見れば妥当な敗退であったと言われてもおかしくない出来だったのではと感じます。
王者ドイツの四年の準備をも飲み込んでしまうワールドカップ。
日本も現在想像以上に上手く事が運んでいますが、
ドイツの出来事は他人事ではなく、
大会後にしっかりと四年後、更に先の事を見据えていかなければ、
予選敗退という事も現実にあり得るのでは無いかと思います。
今回のドイツを教訓に、
日本サッカーをより良くしていく為に、
草の根から積み重ねをしていかなければならないと改めて感じました。
そして、ドイツサッカーファンとして、
今回の経験を生かし、更に強くなるドイツに期待したいと思います!
W杯観戦記
W杯、毎日睡眠不足が続きますね!
こちらは日本よりも時差が2時間ない為、ありがたい事に日本ほど視聴は難しくありません!
ただ、日本時間9時からの試合は指導中の為観戦出来ないのが辛いところ…
昨日は日本代表がコロンビア相手に勝利を挙げ、勝ち点3を獲得し、多くに戦前の予想を裏切る形となりました。
私も3戦全敗を予想していたので、驚きました。
開始数分での数的優位は、この大舞台で無くとも、試合を難しくしますよね。
一人のサポーターとして、この勝利を喜ぶとともに、今後のサッカー界を考えると手放しには喜べない勝利。
といったところでしょうか。
とはいえ、日本代表には、日本サッカー界を背負って、少しでも高いところまで辿り着いて欲しいものです。
個人的には、その後に行われたポーランドvsセネガルでの、セネガルの身体能力と、しっかりと組織された守備に脅威を感じました。
この身体能力に組織の力がプラスされると、崩すのは容易では無いなと。
そして、今大会ではベルギー推しの筆者ですが、
初戦となったパナマ戦は、格下相手にだらしない印象の前半から、一瞬で状況を変えてしまう個の力を見せつけた後半の3得点で終わってみれば圧勝。
チームとしての完成度は低く、守備も緩慢なシーンがあり、個人の良さが最大限に発揮されていない様にも感じますが、
とにかく個の力が圧倒的。
抱えているタレントで言えば、ブラジルやフランスをも超えると個人的には思っていますので、
チームとして歯車が噛み合うことを願うばかりです。
恐らくは決勝トーナメントを含め7試合戦い抜くつもりでのコンディション調整でもあるはずなので、
ここから更にもう1段階上のレベルを見せてくれることでしょう。
グループステージのイングランド戦は要注目です!
個人の力も、組織力もまだまだ世界と比べると劣る日本ですが、
この大会が少しでも未来につながるものになってくれるといいなと、
現場の末端の一人として願っています!